(C) 2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会

映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

なんとなく軽い映画の印象で見始めたが、よくよく考えれば、女性の情念がずっしりと伝わってくるおもしろい映画。
なんといっても、夫役の柄本佑が出色の出来だ。いつもの柄本なのだが、ここではさらにぴったりで、ドキドキさせるという牽引役を見事にこなしている。黒木華は、のっぺりとした印象で劇中では、映画的な感情の起伏には貢献しないが、観終わってみればしっかりと役をこなしていた、というずっしり感を残していた。
どんでん返し的な展開が、いくつかあって、最後の最後まであったというのは見事だと思う。
ただし、風吹ジュンが演じるお母さんは、各シーンで伏線を張る役目も担っているらしいがほとんど不発だった。
また、出だしの数分は画面もセリフも不自然で、その不自然さにも意味をこめているらしかったが、不発どころか、不自然そのものだったので、減点になると思う。
総じて、しずかに進む展開の中には、不十分なシーンがあったとしても、しっかりとした構成と漫画家に関しては妥協しない姿勢があって、いい映画になっていた。

(h.s)

©hiroshi sano

監督 堀江貴大
公開 2021年9月

評価
4/5
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