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映画『クーリエ 最高機密の運び屋』

違う体制(ソ連と西側)に属していても、平和を願う同志の信頼は成立する、というのがテーマのようだ。
そのテーマの実現に向けて映画はがむしゃらに進んでいく。そしてクライマックスの二人が確認しあうシーンで一応成功したと言えるのかもしれない。
しかし、映画を観る側から言わせてもらうと、これが実話に基づくという前触れがしつこいハエのようにまとわりつく。
おおかたの批評では、これ実話、すごい、ということになっているらしいが、映画はかならず脚色している。主人公をもりたてる害のない脚色は、他の映画ならいっぱいしている。
しかし、信頼のもう一方が処刑されたというこの映画の現実を前にすると、ソ連がわの情報提供者の描き方が、ご都合主義で脚色されていたとしたら、残酷というか、映画のテーマを完結させるためのウソがどこまで許されるのだろうか、と不協和音をかかえて観終わった。
この映画が嘘をついている、といっているわけではないし、その証拠も持ち合わせてはいない。しかし、ソ連の情報提供者も家族を大事にしている。だとしたら、亡命の手はずがもっと早く行われることを望んでいいたのではないだろうか、と単純に思う。ところが、映画ではソ連人の都合でぎりぎりまで遅らせていることになってしまっていた。

(h.s)

©hiroshi sano

監督 サム・クァー
公開 2021年7月

評価
3.2/5

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