
頭の体操 映画『旅と日々』
おおまかにこの映画は二つのパートにわかれている。
前半が河合優実が出る若い二人の海での物語。
後半は脚本家役のシム・ウンギョンが旅に出て山奥のさびれたベッドアンドブレックファストにたどり着く物語。
さて、ここで頭の体操。前半部分の最後は雨の海と河合優実のアップになっているが、最後の最後にもうひとつカットが隠されているとしたらそれは何でしょうか。
正解(私の妄想)は、海岸で雨に濡れそぼつカラスのカット。
では、後半の最後はなにか。
現在はシム・ウンギョンが雪上を駅に向かって歩いていくシーンだが、正解(私の妄想)は足跡にポトリとボールペンが落ちるカット。
尻切れトンボを糊塗するような長いカットは「エンド」にはならない。他にも長いカットがいくつもあった。
一方、得難いハッとするようなシーンもいくつかある。
山奥の宿に警官がやってきて宿主とかわすやりとり。おもしろい。
宿主の堤真一もよかった。
シム・ウンギョンが韓国から日本にやって来た当初は言葉から自由になっておどろきやおそれに直面するがやがて言葉に追いつかれて取り込まれる、と述懐するシーン。
つれあいにさそわれて前知識なしに観たので、つげ義春原作ということも知らなかった。不条理の話が不条理に終わるのもつげの物語の面白さではあるが、映画なのだから映画らしくもっと面白くしてほしかった。
映画の最後に「旅と日々」とタイトルが出て終わったときには、えっ、長い前置きのあとにこれから本編がはじまるのではないの?、とマジ思った。
つげは偉大ではあるが、踏み台にしてさらに偉大な物語をめざす心意気があってもいいのではないか、と思った。
(by みとまと in note)














