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映画『由宇子の天秤』

ついに出たか、と思わせるすばらしい映画。
はじめの数分のゆるさ、をのぞけば、テーマも納得できるし、構成のよわそうなところもどうにか切りぬけていて、ほとんど破綻がないくエンディングに向かっていくので、単純におもしろい。
学校でのセクハラや自殺事件を追求しているディレクターの女性が、自分の父親も似たようなというより、相似の出来事にかかわっているのを知って、一挙にドラマがむくむくと頭をもたげてくる、といった構成。
結構おもしろいテーマがよこたわっんていて、真実をつたえようとしたり、社会悪を追求しようとする当事者が、実は事件の渦中にまきこまれていく中で、何をどう伝えようとするのか、というかなり表現の本質をつくような問題意識を内包している。
春本監督が制作している映画の中で、主人公の女性がテレビ局のためにスタッフと一緒にドキュメンターを制作していて、さらに、主人公自身が巻き込まれている事件について、主人公のスマホで撮影している、という3重の構造になっている。
すばらしい映画、と書いたのは、あることが起きれば落とし前が必要なのが本来の映画だが、いくつもの細かい出来事を微塵の齟齬や苦労も見せることなくこなし尽くしていた。

(h.s)

©hiroshi sano

監督 春本雄二郎
公開 2021年10月

評価
4.4/5

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