面白い。正統的な映画。アルゼンチンの政治や経済の事情がやや分かりにくいバックグラウンドとなっているが、それもはじめの数分間がすぎれば、まっとうな犯罪映画になっている。きちんと伏線をおいて、はらはらさせながら展開していくのは、なんとまっとうな映画だ、と感心させられる。登場人物が、自分たちはペロニスタであり、無政府主義者であり、奪われたものを自分の力で取り戻す、といって、これから行うある犯罪行為を正当化する。このメンタリティーの陰影が、アルゼンチン映画らしいということもできる。
(h.s)
監督 セバスティアン・ボレンステイン公開 2021年7月
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