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映画『囚人ディリ』

刺されても蘇り、瀕死の体の上に十人(?)の賊が覆いかぶさっても、こぶしの一突きで蹴散らしてしまう、これぞヒーローの王道をいく映画!

一番初めのシーンがマザーテレサの孤児院から始まるので、思わず背筋をのばしながら見始めたが、次のシーンは警察の特殊部隊による麻薬の押収と、ギャング内部の内通者さがしや、悪徳警察幹部の登場などがあって、いよいよギャングの反撃が始まる。とここまでが、ヒーロー登場までの前段階。

この類の映画だと、単身敵陣に赴くヒーローという設定を何度もみたが、この映画は闘いの場所が、竹林だったり山の上だったり、警察署本部だったりする。しかも、一夜の出来事という設定なので、いつも暗くて分かりにくいが、それはそれでスリルを醸し出すのに必要だったのだろう。
主人公は刑期を終えた囚人で、行方不明だった娘に会いに行く途中だった。
本来ならば、明朝10時の約束で娘にあうはずだったが、運悪く、毒を盛られて、かつ今にもギャングの復讐を受けそうな警察官の一団をトラックに乗せて、病院に運ぶはめになってしまう。
危機に陥るたびに、娘との再会を思って奮い立つシーンが出てくるが、それもいやみなく、かつ全体のトーンのなかで、人間臭さを程よくだして、ヒーローがヒーローたる所以を説明していた。

しかし、こんなにすごいヒーローなのに、その活躍の報酬があまりにも少ないのは、インド的な世情なのか、とちょっと悲しくなる。
最後のシーンも、車がビュンビュン通る6車線の高速道路をとぼとぼと歩く主人公の後ろ姿だった。

(h.s)

©hiroshi sano

監督 ローケーシュ・カナガラージ
公開 2021年11月

評価
4/5

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