
映画「愚か者の身分」
オモシロイ!一級のエンタテインメント。監督は永田琴。
監督の力量が半端ないのが全編息をつかせず見せられるので明白。
俳優もいい。特に誰というより、北村匠海、林裕太、綾野剛の3人のコンビネーションがいきいきとしている。
脇役もいい。どれもいいが、木南晴夏の役を要所要所で強調しているのも映画にあたたかさを与えている。
ストーリーがいい。逃亡劇ではじまるどんでん返しがあるが、そこにいたるまでの時間の組み換えが嫌味なくわかりやすくごく自然で小気味よい。
若者への思いがテーマとしてあるようにおもえるが、テーマ自体の重みを感じさせない。主人公たちの生きる苦しみの感触は伝わってくる。
テーマ、ストーリー、演技の絶妙なハーモニーでエンタテインメントとしてのマジックが成立した、とでもしか形容の仕方がない。
やくざ、女、だまし、と三つそろえば、いままでなら、性の搾取がテーマの一つになりそうだが、それが全くないのも、稀有なおもしろい映画になった、という点もオモシロイ!
映画館へ急げ!
(note みとまと より転載)