隠居 「おやヒロ坊、仏頂面してどうしたい」
ヒロシ 「ご隠居さん、いやなにね、昨日精進料理を食しましてね」
隠居 「なんだい、あらたまって。普通にたべましたでいいじゃないか」
ヒロシ 「それが、根っから食い意地がはってる私ですから、おいしいものを食べようと」
隠居 「で、まずかったのかい」
ヒロシ 「いえいえ」
隠居 「じゃ、旨かったんだな」
ヒロシ 「ええ」
隠居 「じゃ、おいしかった、でいいじゃないか」
ヒロシ 「うーん、それが、そうとも言えないような」
隠居 「ははあ、なにかにあたったな」
ヒロシ 「いえいえ、すこぷる健康です」
隠居 「いや、お前は、すぐ顔にでる。何かにあたったんだよ」
ヒロシ 「いえいえ、お腹の調子はいいです」
隠居 「お前の食したものはな」
ヒロシ 「・・・」
隠居 「旨くもまずくもない」
ヒロシ 「・・・」
隠居 「ありがたいことだ」
ヒロシ 「はあ?」
二人の会話はまだまだつづく。
材料 2リットル分
材料(4人分)
研いで水を切った米を炊飯器にいれ、材料をいれる。
ヒロシ 「お坊さんの料理をまず見学。それからお手伝い」
隠居 「最後に食べたというわけじゃな」
材料(2人分)
ヒロシ 「乾燥湯葉をもどすかわりに、はじめから半生の湯葉を使いました」
隠居 「申し分ないのう」
ヒロシ 「20人いた参加者がそれぞれ湯葉を巻いたので、形がバラバラ」
隠居 「湯葉は築地の角山じゃな」
ヒロシ 「精進衣をつけて熱した油へ」
隠居 「塩をまぶしてたべる」
材料(4人分)
ヒロシ 「胡麻ペーストを煮切り酒でのばす」
隠居 「さらに砂糖、薄口しょうゆを入れてのばす」
ヒロシ 「手が込んでおりました。ゆでた小松菜をひやして、つけ汁につけ、器に移す直前に温めなおす、という」
隠居 「しいたけも酒としょうゆで味付け(ほんらいならあぶって、ハケで味をぬる)しとる。精進料理、いや和食の真髄じゃな」
ヒロシ 「メニューはさらに、『さつまいものニョッキ -味噌ソースと大葉ソース』、『二色のストロベリーソース』とつづいておりました。今様に進化しておりました」
隠居 「うまかったのう!」
おつきあいありがとうございました。
ヒロシが体験したのは
味来食堂 -僧食を学ぼう-
主催: 全国曹洞宗青年会